静岡県東部伊豆取材2,000件!フリーライター小林ノリコ

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静岡県内の広告業者さん・フリーペーパーの営業さん、こんなことしてませんか? 静岡県内でフリーランス・ライターをしていて脱力してしまったこと。

※以前、facebookに投稿した記事をブログ用に加筆・修正したエントリーです。

 

取材をしていると、お店や施設の方との話の流れで、よく広告媒体の話題になることがあります。内容はだいたい共通しているのですが、フリーペーパーを発行している会社の営業さんのなかに、

 

「“雑誌”の“取材”をしたいのですが……」

「貴店を”雑誌(新聞)”に掲載したいのですが……」

 

という言い回しで営業されている方がいらっしゃるようです。

 

「フリーペーパー」をわかりやすく言ったつもりだったのでしょうか?

おそらく、「フリーペーパー」と言うとすぐ電話を切られてしまうので、こういった言い回しで話をつなぎたかったのでしょう。

同じ電話で広告料の話を案内してくる営業さんはまだ良心的。なかには、取材も掲載も終わってから、「それで、広告料(掲載料)の件なのですが……」という電話をかけてくる人がいるそうです。

 

いろんなお店の方から話を聞いてきて、いちばんひどかった例があります。

 

県外の「新聞社の者」から「うちの新聞に貴店の紹介記事を載せたい」という電話があった。静岡県内では配布しないようだったので断ったのだけど、何度も電話をかけてくるので、結局、取材をOKした。
後日、掲載された新聞が送られてきてびっくり。掲載されていたのは広告記事で、後々、広告料の請求が来て(20万だったか30万円)支払うことになってしまった。

 

 

何ともヒドイ話!絶句してしまいましたよ!

 

私は「フリーペーパーの存在がダメなのだ」とは一切申しておりません。

こういった広告媒体は必要ですし、きちんとした営業をやられている会社のほうが多いと思います。ですが実際、この話のように乱暴な仕事をするフトドキモノがいるのです。

 

あのう…広告会社さん。こんな詐欺まがいの営業方法を平気でする輩を放置していると、信頼といっしょに今後の仕事まで無くしてしまいますよ。 

そこで頷いてる静岡県内の出版社(と呼べる企業が何件あるのか疑問なのですが)さんも、のんきな顔していないでくださいね。取材アポイントの取り方を見直したり、注意喚起したりしないと、県内の広告業界だけでなく出版業界の信頼も落ちてしまいますよ。 

 

 

さて、最初に話に出した営業さんの話に戻ります。

 

この人は「フリーペーパー」をわかりやすく説明したつもりだったのでしょうか? もしそうであったとしたら、まことに残念です。フリーペーパー、雑誌、書籍は、同じ性質の媒体ではありません。

 

しかし、私が見聞きした限り、これらが(少なくとも静岡県内では)一緒くたにされてしまっているのが現状です。

 

県内の出版社(?)が出している雑誌や書籍よりも、フリーペーパーのタイトルの方が多く、定期発行されていて知名度もあるので、こういった問題が起きてしまうのかもしれません。

はたまた、県内で発刊されている雑誌や書籍の質とフリーペーパーの質が、大差ないものになってきたからなのかもしれません。

  

ほかにも、原因はいろいろ考えられると思います。

 

地方では、街角の書店が激減してしまいました。街角で無料でもらえる情報媒体には、知名度の時点ですでにかなわないのでしょうか。

私は、かつて雑誌や書籍が見せてくれた豊饒な文化に育てられ、雑誌編集者の仕事を志しました。ですから、いま、こんな状況下で仕事しなければならないことが、悲しくて仕方ありません。 

 

先日も取材先で、「こんなに大きく載せてもらって、写真もこんなにきれいに撮ってもらって、何で無料掲載なの!? 本当に払わなくていいの? あんたっち、制作費どこから出てるの?」とオーナーさんが何度もおっしゃってました。

 

媒体のことをていねいに説明しながら、とても複雑な気分になりました。