プロのクリエイター同士が分業することの意味
お仕事のお問い合わせで、「誌面デザインからコンテンツの作成・ライティングまで一括で受けて欲しい(完パケでの納品)」「ホームページ(WEB)のデザインをお願いしたい」とお問い合わせいただくことがあるのですが、私は取材とテキストのライティングのみ、お引き受けしています。
「デザイナーさんに外注してしています」と言うと、その話は流れてしまうことがほとんど。クリエイター2名分(ライターとデザイナー)の予算がつかないという理由です。
それは仕方のないことですが、何だかもったいないなぁって思うんです。せっかく資金を投入して宣伝媒体を作るのに、その道のプロの力を借りないなんて……。
デザインからライティングまでできる、器用な方もおられます。私もDTPの知識が少しあるので、設備さえ揃えばやれないことはないと思うのですが、私は、やはり「餅は餅屋」だと思うのです。
長いあいだデザイン業界の第一線でやってきた、プロのセンスと職人技には、一朝一夕では到底かないません。
編集者は、デザイナーにコンセプトや掲載要素などを伝えるため、おおまかなレイアウト(ラフ・レイアウト)を切ることがあります。そして、それをもとに、デザイナーさんが仮デザイン(見本)を出します。
するとどうしたことでしょう(←『ビフォー・アフター』風)! プロのデザイナーさんの手にかかると、見せ方が非常に計算され、整理された素晴らしい誌面デザインが仕上がってきます。自分が持っていったラフ・レイアウトが恥ずかしくなってくるほどです。
また、ホームページのデザインを得意分野にしているデザイナーさんは、お店や施設の長所やコンセプトを、より効果的に見せるデザインを構築する技術を心得ています。
デザインとは、ただ写真と文章を見やすく並べるだけでなく、書籍やサイトのイメージやコンセプトまで読者(ユーザー)に伝えることです。
また、分業制にすれば、それぞれの仕事を同時進行することができるので、ひとりで全部こなす方よりも短い納期でできる可能性があります。
ですから、技術の高いフリーランスのデザイナーさんと、フリーランスの編集者やライターさんとが横のつながりを作ったら、地方であっても、もっと幅広いプロジェクトやおもしろい仕事ができると思うんですよね。