伊豆在住ライター小林ノリコの伊豆グルメ情報+∞ (仮)

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今週のお題「おとな」/安易に企画される「大人の○○○」という特集

はてなブログ今週のお題「おとな」。初めて「お題」でブログを書きます。

 

紙媒体で、最近よく「大人の~」「大人○○」といった、いわゆる「大人向け」「“大人”を目指している若者向け」の特集を組むことがある。1冊丸々、「大人」をターゲットにした雑誌や書籍も多いよね。

「大人の~」というと、30~40年ぐらい前はピンク系の文化を連想する人が多かったけど、今では、健全な方向で捉える人がほとんどだと思う。

例えば、飲食店を掲載するのであれば、掲載候補になるお店はだいたいこんなイメージだ。

ウォルナットとかマホガニーっぽい質感の重厚な家具を置き、間接照明とか使って、店内はちょっと薄暗い。静かな店内には、耳に優しい音量でジャズなどの音楽(レコードとか)が流れていて、アーティスティックなオブジェや英字の分厚い本とか飾ってある。んで、洋酒の品揃えが充実してて、葉巻とか吸えちゃったりして。グラスから壁にかかるアートまでこだわていて、イミテーションは置いてなさそう。

もしくは、店内が全体的に白かったり、建具がピカピカ光ってて都会的だったり、丸の内っぽかったり銀座っぽかったり。それから、スマートでスノッブな感じがする。

 

あうあう。頭痛がしてくるくらい貧弱な発想で申し訳ない……(茶化したり揶揄したりしているわけではありませぬ)。でも、たいてい、そういう感じのお店がピックアップされているよね。私が同じテーマの下にお店をリストアップすることになったとしても、とりあえずは、同じような基準で物件をエントリーするだろうなぁ。

昔はあんまり深く考えずに、この手のテーマの企画をホイホイ引き受けていたんだけど、取材するたびに「はたして“大人”とはいったい何ぞや」という疑問が脳内をループするハメになる。今でもまだ、自分のなかで結論が出ていない。そんなことなら、引き受けるべきじゃないのかも……と毎度悩んでしまうのだ。

 

以前「大人」をテーマに取材したとき、地元のとある老舗バーのマスターがこう言っていた。

「小林さん、『大人』って本当にいると思う? 今ね、そんな人見たことない」

自分の限界を分からずに、正体なくなるまで飲んでだらしない姿を晒す人。人に対する物の言い方を知らない人。基本的なマナーすら身についていない人。何年も長いあいだ、バーカウンターで人間の様々なあれこれを見つめてきたマスターがこぼした言葉は、なんだか深くて重かった。

みんなが思い浮かべるような、いわゆる“大人”っていうのは、じつは“UMA(未確認生物)”みたいなものなのかもしれない……!?