伊豆在住ライター小林ノリコの伊豆グルメ情報+∞ (仮)

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尾形光琳の傑作から感じた「フルスイング感」

熱海市にあるMOA美術館へ『尾形光琳300年忌特別展』を観に行ってきました。


尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅」 光琳アート -光琳と現代美術- | MOA美術館

 

2015年は、尾形光琳・没後300年なのだそうです。

今回の特別展は、光琳の二大傑作、国宝「燕子花図屏風」(根津美術館蔵)と国宝「紅白梅図屏風」(MOA美術館蔵)の同時展示が最大の目玉。

それに加えて、100年忌・200年忌などで紹介された光琳の名品のほか、光琳の影響がうかがえる現代美術なども同時展示されていました。

美術鑑賞は大好きだけど、きちんと美術史や美術の評論を学んだことがないので、専門家が読んだら的外れな感想かもしれませんが、私なりの感想を書きます。

 

やまと絵の技法を踏まえながら、斬新な意匠性と装飾性を持った芸術を確立させた尾形光琳。今回のように体系化された展示を見ていると画家というようりも、グラフィックデザイナーというような印象を受けますよね。

完璧なまでの構図、巧みな筆さばきと色使いは、300年経った今見てもまったく古臭さを感じさせません。

 

私は特に、金地に濃淡の群青色と青緑を使って描かれたカキツバタが並んでいる「燕子花図屏風」が好きです。今回、それを間近でじっくりと見ることができたので大満足でした。

バッサリと背景を削ぎ落としたシンプルな構図。フチ取りをせずに描かれたカキツバタの立体感ある色使いと、リズミカルな配置。同じカキツバタの群生を描いた「八橋図」よりも、さらにミニマムな美しさが際立つこの作品に心惹かれます。非常にシンプルなように見えて、きっと綿密な計算あっての画面構成なのでしょう。

 

こんなに素晴らしい作品が300年以上も昔に描かれたなんてねぇ……もうため息しか出ませんよね。後世の多くの芸術家が、光琳にインスパイアされた作品を作っているっていうのも頷ける。

 

シンプルなんだけど、ものすごくダイナミック(大きさのことじゃないよ)。何だろう、この絵から感じる“フルスイング感”は……。

 

「描ききったぜ!? どーーーーーよ!?」

 

っていう自信まで感じられる気がする。後世に残る名作や名画っていうのは、どこかこう、振り切れてる感があるものなんだなぁ。

このインパクトは、図録や画像データからは絶対に得られない。実際に行ってみて、作品と対峙してこそ感じるヴァイブレーションだと思うのです。

 

2015年4月18日~5月17日まで、東京・根津美術館で「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」が同時展示されます。

双方をぜひ間近で見て、このふたつの国宝の国宝たるゆえんを感じてみてください。