伊豆在住ライター小林ノリコの伊豆グルメ情報+∞ (仮)

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「人間、本気になれば何だってできる」。さがゆきさんがライヴで話してくれたエピソードが刺さった件

先日、熱海のCafe RoCAで行われたライヴ&トーク「Tei On Dan  鼎(音)談」に行きました。

出演者は、ヒカシューのリーダーでテルミン口琴などを操る巻上公一さん、シンガーのさがゆきさん、ヒカシューのドラマーでもある佐藤正治さんの3人。中村八大先生の思い出話、海外で演奏したときの面白いエピソード、食べ物の話などなど、ベテラン・ミュージシャンの3人ならではの爆笑(!?)トークと、その話にまつわる楽曲の演奏がとっても楽しかったです。

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なかでも、さがゆきさんが話してくれた「たったの2週間でギター演奏をマスターした」というエピソードが面白くて、とても心に残った(というか刺さった)のでご紹介します。

 

とあるお店でベロベロに酔っぱらったさがさんは、会話の流れで、そのお店でライヴを開催することを約束してしまいました。その翌日、シラフに戻ってから何気なく手帳を見てビックリ。該当の日付に赤い丸印がしてあるけれど、さがさんにはまったく心当たりがない。後日、約束した相手から連絡があったことで、その経緯と内容を知ったのでした。

 

「し、しまった……!! な、何てことを約束してしまったんだ……!!」

 

その内容は「○月○日に弾き語りライヴをする」ということ。何を隠そう、その頃のさがさんは、ギターをまったく弾けない人だったのです。オーマイゴッド!!

それからライヴ開催日までの2週間、ギターの猛特訓が始まったのでした。ギターの練習をしながら眠ってしまい、ハッ!と気づいてまた練習を再開……という地獄の毎日。もし私だったら、この時点でとっとと土下座して断ってるよなあ(サイテーな人間だな私。わかってますよ!)。でも、さがさんはちゃんと約束を守ったんです。さすがプロです。凄いです、エライです!

そしてライヴ当日。

2週間の演奏の成果で何とか弾く事ができたのですが、さがさん自身が納得する演奏ではなかったので、来てくれたお客さん全員に入場料をポケットマネーで返却したのだそうです。これって、なかなかできないことですよ……なんて正直な人なんだ!

 

それから4年。

今では、仕事の依頼のほとんどが弾き語りになってしまったのだとか。この一件に懲りずギターを弾くことを続けて、きちんと自分の仕事にしてしまったっていうのはスゴイ!

 

「人間、本気になれば何だってできるんだねぇ~(^-^)」

 

 のほほんとした口調で放たれた、さがさんのひと言。ええ、私の胸にズッキーンと突き刺さりましたよ……。「『酔っぱらいの戯言でした!スンマセン!』と土下座します」とか、冗談でも考えちゃう私って……あ~あ、自己嫌悪~。 

 

それにしても、(彼女自身が招いた事とは言え)思いもよらないタイミングで、ステップアップの「きっかけ」って巡ってくるものなんですね。

もし、この出来事がなければ、さがさんが参加した弾き語りライヴを今日この場所で観ることは出来なかったかもしれません。突然降ってきた天からの無茶振りを、さがさん自身の力で乗り越えた結果、彼女の世界が広がったわけです。

まっすぐ本気で仕事に取り組んでいる人だからこそ、不可能を可能にできたのではないでしょうか。

 

安請け合いはどうかと思うけど、単にリスクを恐れて「できないからやりません」って簡単に断っちゃうのは、ちょっともったいないような気がします。もしかして、懸命に取り組んだらクリアできることかもしれない。そこから思いもよらない、明るい未来が開けるかもしれないんですよね。

結婚してからここ10年間の私って、そんな事が多かったように思う。本気度が欠けていたのかも。ちょっとね、最近いろんなお仕事の依頼や相談を受けることが多くなって、そんなふうに考えるようになったんですよね。

このエピソードを聞いて、「プロとは何ぞや?」という永遠の疑問に対する答えが、ほんのちょっぴり、わかったような気がしました。

 

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▲ 写真左から、巻上公一さん、さがゆきさん、佐藤正治さん。素敵な歌とトークを本当にありがとうございました! ぜひ、またこんな素敵な会を開催してくださいね‼