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伊豆在住ライター小林ノリコの伊豆グルメ情報+∞ (仮)

毎週火・木曜更新。 covanonwriting.themedia.jp/

「雑誌に載ったのに掲載誌が送られて来ない」という方へ。雑誌はいつ頃から掲載誌を送付できなくなったのか

出版不況と言われて久しい昨今。その反動か、まだまだ「紙の本」の需要が高い地方都市では、ここ10年ほどで、地方誌やフリーペーパーの数が増加。個人や地元の小さなお店までもがメディアで紹介される機会がとても多くなりました。それにしたがって、

「取材協力したのに掲載誌が送られてこないんですよね」

という声を取材先で聞くことが増えてきました。

貴重なお時間を割いて取材に協力していただいたのに、掲載誌の一冊も送らない(送れない)のは、もちろん、大変失礼なことだと思います。

かなり言い訳がましいかもしれませんが……実際のところ、大手であっても、雑誌の制作予算はみなさんが想像されているよりも非常に少ないのです。長引く出版不況や広告出稿の減少が重なって、予算がどんどん削られてしまっています。地方誌でしたらそれはなおさら。そんな中でも、きちんと掲載誌を送っている出版社は、めちゃくちゃ頑張ってると思います。

 

次の取材につなげるため、以前は仕方なくこうしてました

じつのところを言うと、外注のクリエイター(ライターやカメラマン、デザイナーなど)ですら、掲載誌をいただくのって、非常に希なことなんですよ。

以前私は、「掲載誌が送られてこないんですが」と連絡をくださった方には、個人的に自腹で購入してお送りしていました。しかし近頃は、一冊1000円近い値段の書籍が多いので、送付先が増えると掲載誌送付代が報酬を軽く超えてしまうことになります。基本的に掲載誌の送付は「個人的にやっている事」なので、出版社側に領収書を受け付けてもらえない場合が多いのです。

個人的な問題で大変申し訳ないことですが、最近では(掲載誌の送付ができるかどうか、先に編集部に確認した上で)掲載誌の送付が出来ないことを先にお伝えすることにしています。

 

いつ頃から掲載誌を送らない雑誌が増えたのか

私個人の経験からなのですが、すでに15年以上前から、掲載誌の送付を行っている編集部は、少なくなっていました。

私が携わっていたのは大手の出版社が多かったのですが、週刊誌ともなると、毎週何十人・何百人の人や企業を掲載しています。その一冊に関わった全員に掲載誌を送付するとなると、送付する雑誌の代金に加えて、郵送代、梱包・宛名書きをするアルバイトさんへの時給、封筒代などすべてが編集部持ちなので、かなりの予算オーバーになってしまいます。出版不況の兆しが見え始めた1990年代後半、すでに掲載誌の送付は予算外となっていたようです。

何ヶ月も前の掲載誌を送って欲しいと言われた雑誌のライターさんは、出版社の通販部で該当の掲載号を購入し、掲載誌として自腹で送付していたくらいですから……そのライターさんも「これってほんと、協力してくれた人に対して失礼だし、今後のお付き合いにも影響するよね」とボヤいてましたね。

 

予算的に仕方のない事とは言え、人と人が関わる仕事ですから、個人的には掲載誌一冊くらいは差し上げたい。それが、雑誌・書籍の制作に関わっていて、私が一番つらいと思っていることです。

 

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